リーバイス 1944 501
通称対戦モデル
第二次世界大戦中、Levi’s®はアメリカでの資材節約を支援するために金属、布地、糸の使用を削減し、ウォッチポケットのリベットやクロッチリベット、シンチまわりの2つのリベットを省略して、布地と金属を節約しました。バックポケットのアーキュエットステッチは糸で縫い込む代わりに、同じデザインを501®ジーンズ全体にプリントしました。ノーブランドのボタンには月桂樹の葉が描かれ、パッチには「S501®」の刻印があり、”S”は”Simplify”(簡略化された)を示しており、一時的に簡略化されたモデルであることが示されました。
リーバイス1944 501の特徴
1944年のリーバイス501XXの特徴
1944年、第二次世界大戦が激化する中、アメリカのリーバイスはジーンズのデザインと生産において戦争の状況に応じたアジャストメントを余儀なくされました。これにより、リーバイス501XXの特徴も変遷し、独自の魅力を放つデニムのアイコンが生まれました。
1. 生地と製造
1944年のリーバイス501XXの生地は、生地は整理加工により毛焼き処理のみが施され、その結果、毛羽がなくなりました。また、この生地は深い濃紺のピュアインディゴで染色されています。資源の制約からくる節約の中、デニムの品質と堅牢さは維持されつつ、同時に制約を受ける中での工夫も見受けられました。通常はプレーンなコットンツイルが使われるポケットスレキには、フランネルが使用されています。戦時中の代表的なモデルでは、オリーブドラブのヘリンボーン生地が一般的です。
2. ボタンフライと月桂樹ボタン
1944年のモデルは、ボタンフライが一般的であり、ジッパーではなくボタンが使用されていました。ボタンフライの特徴的なデザインは、当時のファッションや機能性の要請に合致していました。特に、月桂樹ボタンが導入され、これはリーバイスの独自のディテールとなりました。トップの月桂樹ボタンは、品質とデザインの融合を象徴しており、アイコン性を強調しています。
トップボタン以外は無刻印のドーナツボタンが使用されてます。
3. リベットと耐久性
コインポケットのリベットが廃止になりました。それまではジーンズの耐久性を高めるためのリベットも健在でした。戦争の影響で金属の使用が制約されたことから、リベットのデザインや素材に微妙な変更が見られたかもしれません。これは機能性を維持しつつ、制約のもとでの工夫が試みられた結果と言えるでしょう。
4. ペンキステッチとアーチュエート
歴代の501の中で唯一バックポケットのアーキュエットステッチがペンキステッチ使用され、これがコレクションアイテムとしての魅力を高めています。選択をしていると消えてしまうので、洗いたくないですね。
総括
1944年のリーバイス501XXは、時代の制約やニーズに合致しつつ、ジーンズのアイコン性を保ち、新たなディテールを加えて進化していきました。ボタンフライ、月桂樹ボタン、アーキュエットステッチ、リベットなど、これらの特徴が融合して、1944年代のリーバイス501XXはその後のデニムの歴史に深い足跡を残しています。その進化の歩みは、デニム文化やファッションにおいて不朽の存在となっています。