アメカジ定番のブーツと言えばRED WING

アメカジファッションの必須アイテムであるRed Wing Shoe Company（レッドウィング・シュー・カンパニー）は、アメリカ合衆国ミネソタ州レッドウィングに本社を構え、靴やブーツの製造で知られている企業です。長い歴史を有し、その製品は耐久性と品質に定評があり、ワークブーツの分野で特に高い評価を受けています。以下では、Red Wing社の歴史、製品ラインアップ、品質へのこだわり、そしてブランドが持つカルチャルな影響について詳しく説明します。

歴史と創業

Red Wing Shoe Companyは1905年に創業されました。その創業者であるCharles H. Beckmanは、労働者が長時間履いても快適で、耐久性があり、安全性を考慮した靴が必要だと感じ、ワークブーツの製造に着手しました。初期の製品は、鉱山労働者や農夫など、過酷な労働環境での使用を意識して作られました。

その後、Red Wing社は製品ラインを拡充し、革新的なテクノロジーを取り入れながらも、長い歴史を通じて伝統的なクラフツマンシップを保ち続けています。

レッドウィング社の歴史

1905年

©Red Wing Shoe Company Inc.
引用元：https://redwingheritage.jp/ext/our_story.html

1905年初頭、チャールズ・ベックマンは14人の仲間とともに小さなレンガ造りの靴工場を建てました。その名は「RED WING SHOE COMPANY」。最初の1、2年は苦労が続きましたが、徐々に認められ、レッドウィング社の靴は順調に売上を伸ばし、4年目にはレンガ造りの4階建ての工場を建設しました。2022年現在、年間販売数量は300万足を超え、雇用人数は約1,700人で、市場は世界の約150ヶ国に及んでいます。創業以来、レッドウィング社の本社はミネソタ州の小さな町、レッドウィング・シティに拠点を置き、あえて株式上場をせずに、長期的な視点で経営を続けています。米国内に製造拠点を持ち、「メイド・イン・USA」にこだわり続けています。

1856年～1912年　チャールズベックマン

レッドウィング社の創業者、チャールズ・ベックマンは、19世紀後半にアメリカへの新天地への夢を抱いてドイツから移住しました。17歳の時、ベックマンはアメリカの内陸部、ミネソタ州のレッドウィング・シティで列車を降り、その土地の革工場で仕事を見つけました。そこでの勤務中に、ベックマンは自然と革製品、特に靴に興味を抱くようになり、1883年にはついに靴屋を始めました。彼の本当に良い靴を提供したいという熱意は町の評判となり、その真剣さは来店した客の足に完璧に合わない場合は販売を拒否するほどでした。靴への情熱に満ちた彼は、靴屋は成功していたものの、ますます不満を募らせていきました。彼の不満は、「本当に良い靴が少ない」という点に集約されていました。次第に、ベックマンは店にあるどの靴よりも優れた靴を自分で作るしかないとの考えに至りました。そして1905年、彼はついに14人の仲間とともに「レッドウィング・シュー・カンパニー」を設立しました。これが現在まで続くレッドウィング社の歴史の始まりでした。

1905年　ファーストブーツ

1905年の夏、チャールズ・ベックマンはレッドウィング社を設立し、工場を建設し、機械を導入し、職人を雇い入れました。最初に製造された靴の一つがこの14インチのバックル・ブーツでした。当時のレッドウィング社の財務部長であるハイラム・ハウが、息子のために家に持ち帰ったもので、数年間の着用の後、屋根裏部屋に保管されていたものが数十年後に偶然発見されました。

SHOE MAKING / CUTTING

レッドウィングの靴製造プロセスは、創業以来変わっていません。靴底や靴の甲部に使用する厚い革は、型を使用して切り抜かれます。この作業は「カッティング」と呼ばれ、靴製造の最初の段階です。創業当初のカッティングは相当な力仕事と見なされていました。この工程の後、革を縫い合わせる「フィッティング」、木型に吊り込んで靴の形を作る「ラスティング」、靴底を縫い付ける「ボトミング」が続きます。

1987年　レッドウィング・タンナリー

©Red Wing Shoe Company Inc.
https://redwingheritage.jp/ext/our_story.html

ワークブーツにおいて重要な要素は、過酷な条件に耐える高品質で頑丈な革です。レッドウィング社の特筆すべき点は、その革の品質と風味です。創業者であるチャールズ・ベックマンは、靴屋を始める前にタンナリー（革のなめし工場）で働いており、革に特別なこだわりを持っていました。1987年にかつてベックマンが働いていたタンナリーはレッドウィング社の子会社となり、以来、レッドウィングは世界でも稀な良質な靴を製造するための革を自家製するメーカーとなりました。このタンナリーは正式にはSBフット社と呼ばれ、社内では「レッドウィング・タンナリー」として知られており、100年以上にわたりレッドウィングとともに発展してきました。品質にこだわり、「フレッシュ・ハイド」として知られる、塩漬けしていない生皮のみを使用するなどし、過酷な使用を想定した耐久性に優れた革を生産しています。この「レッドウィング・タンナリー」の革は、レッドウィング社の靴に使用されるだけでなく、軍隊や他の一流靴メーカーへも供給されています。

トラクショントレッド・ソール

現在、レッドウィングの最も特徴的な要素は、柔らかくクッション性に優れた肉厚の白いソール「トラクショントレッド・ソール」です。この靴底は1952年に「アイリッシュセッター」に導入されたクッションクレープ・ソールの機能性を保ちながら改良され、誕生しました。アーチサポートに富み、軽量で履き心地の良いクッションクレープ・ソールの特長を引き継いだ「トラクショントレッド・ソール」は、初期には二層構造でしたが、すぐに耐久性を向上させるために一体形成に改良され、それ以来、ほぼ変更されずに現在に至っています。トラクショントレッド・ソールは、履き心地だけでなく、建築現場や特に高所で作業する労働者たちから高い支持を受けました。ひっかかりのない平らな靴底が、高所でかかとの出っ張りを足場に引っ掛けて転倒する不安から解放してくれたからです。本来はハンティングなどのアウトドア用として開発された8インチおよび6インチのモック・トゥのワークブーツは、こうしてトラクショントレッド・ソールとともに急速に普及し、アメリカを代表するワークブーツとなりました。

製品ラインアップ

Red Wing Shoe Companyは、幅広い製品を提供しており、それぞれが特定の用途やニーズに応えるようデザインされています。

Classic Moc: クラシックモックは、その名の通りクラシックでありながらもモダンなデザインのワークブーツです。耐久性のあるレザーや特徴的なトラクションソールが特徴です。
Iron Ranger: アイアンレンジャーは、トウ部分にカッパーのクラスプが施されたスタイリッシュなワークブーツです。重労働にも耐える強靭な作りが特徴的です。
Heritage Collection: レッドウィングのヘリテージコレクションは、ブランドの伝統を尊重し、クラフツマンシップにこだわった製品が揃います。これにはワークブーツだけでなく、オックスフォードシューズやチャッカブーツなども含まれます。
Irish Setter: アイリッシュセッターは、ハンティングブーツやアウトドア用のフットウェアを提供しています。防水性や保温性など、厳しい自然環境に対応する機能を備えています。

これらのラインアップは、異なる産業やアクティビティに従事する人々のニーズを考慮して展開されています。

品質とクラフトマンシップ

Red Wing Shoe Companyは、その靴やブーツが持つ耐久性と品質に大きな重点を置いています。製品は高品質のレザーを使用し、熟練した職人によって手作業で製造されます。ブーツの製造においては、何百もの手順があり、熟練した職人たちが一足ずつ手作業で仕上げています。このこだわりがRed Wingの製品を他と一線を画すものにしています。

品質に対するコミットメントは、Red Wingのユーザーコミュニティにおいても強く共有されています。多くのユーザーは、購入後も何年も同じブーツを履き続けることができ、その経年変化に喜びを感じています。靴が使われるほどに風合いが増すという特性は、ブーツ愛好者にとって魅力的な要素となっています。

ブランドの影響力とカルチャーへの寄与

Red Wing Shoe Companyは、その堅牢でスタイリッシュなブーツが様々なサブカルチャーに影響を与えてきました。ワークウェアからインスパイアされたファッションや、アウトドアアクティビティに興じる人々にとって、Red Wingのブーツはアイコニックな存在となっています。

また、アメリカのワーキングクラスやトラッドなスタイルを好むファッション愛好者たちにも広く受け入れられています。そのシンプルでクラシックなデザインは、時を経てもなお多くの人々に支持され、ファッションの定番としての地位を確立しています。

サステナビリティと環境への取り組み

近年、Red Wing Shoe Companyはサステナビリティに対する取り組みを強化しています。彼らは製品の寿命を延ばすための修理サービスを提供し、使い古したブーツを修理・リサイクルするプログラムを推進しています。また、製造プロセスにおいても環境にやさしい素材や手法の採用に努め、地域社会への還元活動も行っています。

創業と初期の成長

1905年、Charles H. Beckman（チャールズ・H・ベックマン）は、アメリカのミネソタ州レッドウィングで、最高品質のワークブーツを製造する目的でRed Wing Shoe Companyを設立しました。当初は馬の鞍や作業用の靴を手がけていましたが、その品質と耐久性は評判を呼び、徐々に事業が成長しました。

レッドウィングのモットー

Red Wingは一貫して、「ワークブーツを通じて仕事をする人々をサポートし、彼らの生活を向上させる」という信念に基づいています。この信念は、ブランドが長い歴史を通じて続いており、モッティーとして広く受け入れられています。

20世紀中盤の発展

1950年代になると、Red Wingのワークブーツはアメリカの工業労働者やアウトドア愛好者の間でますます人気を博しました。これは、ブーツの耐久性、快適さ、機能性が高く、さまざまな作業環境に適していたためです。この時期には、Red Wingはワークブーツの分野でリーダーシップを確立しました。

アメリカ以外での展開

1970年代に入ると、Red Wingはアメリカ国外への展開を果たしました。国際市場での需要が高まり、ブランドの名声は国境を越えました。特にヨーロッパでは、その耐久性とクラフトマンシップが評価され、多くのファンを獲得しました。

テクノロジーとイノベーション

Red Wingは製品においても技術とイノベーションに注力してきました。例えば、1970年代には「スーパーソール」が導入され、これは非常に耐久性があり、履き心地も快適なソールとして評価されました。また、特許を取得した「ノオイル」レザーは、オイルを使わずに加工されたもので、特有の風合いと防水性を提供しています。